akihiro kumagaya

受け取った人の胸が高鳴るような、モノや体験を作るということ

デザイナー/ディレクター 熊谷彰博

 彼が意識しているのは、関わる人にとっていい選択肢は何かということ。特に「ユーザーは、最終的にどういうシチュエーションでどういう体験をするのか」を一番に考える。
「例えばボーカロイド・初音ミクのオペラ公演“THE END”が行われた際には、衣装に使われているルイ・ヴィトンのダミエ柄をメインに用いてフィギュアのパッケージをデザインしました。箱の製造過程で必要な、紙を切り抜く作業と一緒に柄も切り抜いています。それも、ルイ・ヴィトンに招待された方に『ヴィトンが関わっているんだな』という認識をしてもらうことや『何が入っているんだろう』というワクワク感を持ってもらうことが重要だと考えたんです」
 それはモノ作りに留まらない。昨夏には、すぐに飽きて着なくなってしまうプリントTシャツの柄をシルクスクリーンで上から消してやろう、というワークショップも行った。「そういう、みんなと一緒に楽しめるものがいいなあ。新しい『体験』を作ることができたらって、今はすごく思う」と彼は笑う。形のあるものから、ないものまで。彼の作り出す世界はいつも、宝箱を手にした時のような胸の高鳴りを私たちに感じさせてくれるのだ。

【profile】

くまがや・あきひろ

1984年東京生まれ。新しい体験をつくる仕事。物事の奥に潜む目的を探り達成させる上で、コンセプトワーク・デザイン・ディレクションなど柔軟に参画する。主な仕事にオリンパス純正カメラバッグ「CBG-2」、KDDI iida LIFESTYLE PRODUCTS「Design Sheet」「EHON TRAY」、渋谷ヒカリエ Creative Lounge MOV「aiiima」アートディレクションなど。

credit

Photograph : Takehiro Goto

Edit : Satoko Nakano

topics archive

press release(PDF)