yota kakuda

作り手の価値観を押し付けない、機能と美しさを備えた「製品」

デザイナー 角田陽太

「デザイナーは前面に出るのではなく、モノの1歩後ろに立っているくらいでいい。特定の人にしか求められないようなデザインは、飽きちゃいますよね。そうするとプロダクトはタンスの中にしまわれたり、捨てられたりする。それはとても悲劇的なことです」
「いつまでも手元において使いたい」、あるいは「気付いたらいつもそこにあった」と思えるものだけが、時を越えて受け継がれるものとなり得るのだろう。彼がデザインした漆塗り・GFC塗装の2種類の食器も、持ちやすく、使いやすく、そして塗装がはがれても塗り直して長く使える仕様になっている。何年経っても使い手のそばにいるであろうことは、手に取った人ならわかるはずだ。
「私がデザインするものは、使ってもらいたいんです。見栄えはしないかもしれないけれど、眺めて愛でるものじゃない。使うことでほんの少し、使い手がハッピーになってくれたら」と角田氏は続ける。作り手の価値観を押し付けない、製品として無駄のない機能と美しさ。それが使い手にとってなくてはならないものになった時、プロダクトは初めて圧倒的な存在感を放つのだろう。

【profile】

かくだ・ようた

1979年、仙台市生まれ。2003年、渡英し安積伸&朋子やロス・ラブグローブの事務所で経験を積む。2007年、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)デザインプロダクト学科を文化庁・新進芸術家海外留学制度の奨学生として修了。2008年に帰国後、無印良品のプロダクトデザイナーを経て、2011年、自らのデザインスタジオ、YOTA KAKUDA DESIGNを設立。国内外のクライアントを持ち、様々な分野のデザインを手がける。

credit

Photograph : Takehiro Goto

Edit : Satoko Nakano

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